厳しい暑さも落ち着いて、過ごしやすい秋はもうすぐそこに!
この夏、いっぱい楽しんだはずなのに、なんだかグッタリ弱っている人も多いかも?!
そんなお疲れ気味な心と体を癒してくれるところが、武蔵境の閑静な住宅街の一角にあるんです。
「Kitchen Studio Paisley」
インド料理研究家の香取薫先生の主宰するレストラン&料理教室。
実家の居間をリフォームしたという室内は、玄関をあけると部屋いっぱいに広がるスパイスの香り。もともと使っていたタイルや棚で昔の趣を残しつつ、インドのインテリアや調理器具、そして壁一面に並ぶ色鮮やかなスパイスが見事な融合を魅せる。
今回そんなインドの魅力いっぱいのスタジオで、香取先生がお迎えするのはフランス・アメリカ料理研究家で「Alice Kitchen」主宰の勝田梨恵先生。
それぞれに素敵な経歴の持主で、自分の“好き”を仕事にしているふたりの対談です。
香取 薫先生<以下:香取>
私は、高校生の時からずっとインドに行きたくて、ボランティアキャンプで初めて行ってみたら、現地の食事に魅せられたって言うのがきっかけなの。インドって国自体が外国の組み合わせみたいに、大きな国なので西と東で全然気候も違うし、一つの国の中でも把握しきれないくらいなんだけど。フレンチとアメリカ料理がどうつながるのかって言うところに凄く興味があるわ。
勝田 梨恵先生<以下:勝田>私がやってるのはアメリカベースのフレンチなんですね。本格的に料理を学ぼうと思った時に、フランス語より、まずは英語で学んでそれからフランスに行ったほうがいいかなと思ったんです。アメリカの大学でフードビジネスを学ぶ時、日本のように料理だけではなく、経営までをグロバールに学んで、学資もきちんと与えられるんですね。
それでニューヨークにあるCIA(The Culinary Institute of America)で2年間世界各国の料理から、ワイン学、製パン、製菓、レストラン経営までを学びました。学校では「料理の基礎はフレンチ」という考えがあったので、まずはここで基礎をきっちり固めようと思って・・。
香取:インドもやっぱり英領だったので英語で何でも出来るんですよ。ただ深く学んでいくとなるとヒンドゥ語が出来ないとダメなの。インドはカースト制度があるでしょ。料理を勉強しに行く家の経済状況によってまったく違うんですよ。生活にレベルを付けるのは変な話だけど、中流階級の家庭が一番良いものを食べてるの。その日の料理と気候に合わせて、マメやスパイスでお母さんが子供達の体調管理をする。全部手作りでね。もっと上になるとコックさんが居るから。だから家庭に入りこんでヒンドゥ語しか話せないお母さん達からお料理を習おうってなると必要になってくる。
実際にアメリカで料理の基本を学んでみてフランスに興味が向きました?
勝田:向きましたねっ!大学のうちに半年間、外での研修があるんですけど、やっぱりフランスの地を生で見てみたいっと思って、リヨンのレストランに行きました。
まさか自分がフランスの一つ星のレストランでキッチンに立てるなんて夢にも思ってなかったのですが、その勇気とスタートを切らせてくれたのは、アメリカの料理大学のシステムが徹底していたお陰だと思っていますね。
香取:どういうところが違いました?テクニックとか、腕を磨くという意味ではフランスの方が濃かった?
勝田:そうですね。仕上がりの完成度とかは違いましたね。それからちょうど冬でジビエの季節だったので見たことも無い羽付きの野鳥が来たりして、やっぱり扱う食材が違うなと思いました。
シェフの横でソースや盛り付けの勉強ができて、素晴しい経験だったと思います。それから、自分の意見ははっきり伝えなきゃいけないって思いが強くわきました。
香取:料理だけじゃなくても、海外で何かを学ぶには絶対必要な事よね。その為には語学も必要だし。自分の責任を自分で取れないと外国じゃ潰されちゃう。やっぱり目的を定めて最大限の努力をすることが大切。
香取:もともとお料理は好きだった?
勝田:私は料理教室をやるのが夢だったんですよ。人に教えられる位に突き詰めてスキルにしたかったし、女性として、結婚しても子供を産んでも続けられると思って。
香取:日本の女性ってものすごく優秀よね。知識欲もあるし、器用だし、やる気もあるし、素直だし・・。世界中の女性をみてもオリーブオイルは使いこなせる、ごま油、ナンプラー、バルサミコ酢なんてのも、これだけの調味料を使いこなす人がこんなに沢山いる国は他にないと思うわ。
勝田:食文化にしても料理そのものにしても、季節感もあるし食材のレベルだって本当に世界トップですよね。新しい物に敏感で、実際に使いこなしてるから、どんどん発展もしていく。そんなレベルの高い人たちに教えるって、やっぱり大変ですね。
香取:料理の上手い人なんていくらでも居るのよ!でも、お金を貰って教えるって事は、どんな質問にも答えられなくちゃいけない。生徒さんがどんな変な味を作っても何がいけなかったのか説明出来なきゃいけないし、治してあげなくちゃいけない。そのほうが教えると言う事には大事だと思う。
勝田:それが、レストランで提供する事と教室で教える事の違いですね。香取先生は私よりも変な質問が多そう(笑)インド料理って未知の食材に対して変な想像とかしちゃいそうだから・・。
香取:とんでも無いことばっかり聞かれるわよ。たとえば、スパイス料理を作っていてこれを離乳食にするにはどうしたら良いですか?とかね・・。もし、勉強不足だったら、次回までに猛烈に勉強する。それをするかどうかが、生徒さんとの信頼関係に繋がるからね。
ちょっとはハッタリも大事!(笑)怯んではけないっ!不安にさせちゃいけないからね。
勝田:私はカルフォルニアクイジーヌの母、Alice Waters氏のレストラン「シェ・パニーズ」で3ヶ月程働かせてもらったのが、転機だったんですね。人に教えるっていうことに自信が付いた。
新鮮な地元の旬のオーガニックの食材をナチュラルに、シンプルに調理するっていうスタイルで私が一生目指していくのはこの域だって思いました。
香取:大切な事よね。インドも翌日になったものは食べないの。保存しないから冷蔵庫もいらない。新鮮なのが当たりまえ。動物だってさっきまで筋肉だったものを食材として頂く。
ベジタリアンもものすごく多くて野菜の食材、スパイスの知識は本当に宝庫みたいな感じ。
勝田:すご〜く、行きたい国のトップなんですよインドは!私も野菜を食べてるほうが体調がいいんですよね。ハーブもスパイス、マメも大好きなんですよ。
香取:どんなに体に良いって言っても、美味しい物じゃないとやっぱり続かないものね。
勝田:生活に無理をしない、自分の環境にあったお料理スタイルを見付けて作るって事が一番ですね。
香取:フランス料理はすばらしいし、アメリカは色んなものの融合として別のすばらしさもあるし、
日本っていうのは、色んなものを吸収して物にするってパワーが本当に素敵。
だから、教えがいがあるのよね。女性は特に非日常を求めてお教室にくるからね。
勝田:私はシンプルフレンチだから余計にかもしれないけど普段からレストランに行って、美味しい料理にワインを楽しんでって方が多くて。そうするとやっぱり25〜30歳代の方が中心になるんですよ。時間もお金も余裕があって、ちょっとくらい高くても「これ良いですよ」っていったら、すぐに揃えられちゃう。料理を極めるっというよりも自分の生活のひとつの色づけとして、教室を愉しんでいる女性が多いですね。優雅な気持ちでリフレッシュして貰えればって。
香取:そうよね。教室に来て、作って、食べて、喋って!帰るときには元気になっていて貰わないとね。それは、レストランも同じ。スパイスってある意味薬膳なのよ。私はいつも「明日元気になりますよ!」ってお見送りするの。そう言う事で自分にもプレッシャーを掛ける。お腹ももちろんいっぱいになって貰わなくっちゃ。私ね、食べることで足りないっていうのが一番嫌なのよ!もっと食えもっと食え〜ってね(笑) 美味しいものをお腹いっぱい食べて、心も身体も元気になって帰って貰う。それで、私もパワーを貰っているの!
勝田先生にお会いして。
「日本女性にも出てきた出てきた!このタイプが!」どこへ出て行っても甘えな
いで頑張れる、責任というものを自信に繋げられるポジティブな人。しかも女性
としても美しい。日本女性のこれからを引っ張ってゆける頼もしいかたです。

インド料理研究家
有限会社食スタイルスタジオ 代表取締役 キッチンスタジオ「ペイズリー」主宰
http://www.curry-spice.jp/

アメリカ・フランス料理研究家
料理教室『Alice Kitchen』主宰
http://www.mavie.co.jp/cooking/AliceKitchen/

通常ないようなインド家庭料理レシピなどインド料理についてはもちろんのこと、インド文化などを自分の体験を元におもしろおかしくお話いただいていて、何回も読み返せる、そんな1冊です。<香取薫/著>
香取薫先生からおすすめのレシピをご紹介!
タンドリーチキン:http://www.curry-spice.jp/column/spicerecipe15.html
はすのスパイシー天ぷら:http://www.curry-spice.jp/column/spicerecipe18.html